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保険診療対策部長談話 「小手先の『例外規定』でなく、レセプトオンライン請求義務化撤回こそ、われら保険医の要求」

小手先の「例外規定」でなく、
レセプトオンライン請求義務化撤回こそ、われら保険医の要求

 

神奈川県保険医協会

保険診療対策部長  入澤 彰仁

(レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟原告団幹事長)


 麻生内閣は3月31日、「規制改革推進のための3カ年計画」を見直した。2007年6月22日に閣議決定された「3カ年計画」では「義務化において現行以上の例外規定を設けないこと」としていたものを「義務化において原則現行以上の例外規定を設けないこと」とし、「原則」という文言を入れた。さらに「その際、地域医療の崩壊を招くことのないよう、自らオンライン請求することが当面困難な医療機関等に対して配慮する」との一文を加えるとともに、それを「踏まえて」オンライン請求義務化を進めることとした。これにより、「例外」が追加されることに含みを持たせることとなったが、義務化施行に関しては一切の譲歩がない。閣議決定に先立ち、3月31日の日本経済新聞の朝刊に政府・与党の追加経済対策の方針として「レセプト電子請求 医療機関に助成」との見出しで、代行請求を行う三師会に対する助成、三師会から業務委託を受ける支払基金などにも助成を検討する記事が掲載された。あわせて、今後、レセプトコンピューターを購入する医療機関に対し、助成を行う方針を固めたとした。この追加経済対策の財源にいわゆる「霞ヶ関埋蔵金」が取りざたされている中で、麻生首相は赤字国債発行も辞さないことを表明した。つまり、レセプトオンライン請求義務化のためには、税金投入を行いその付けを国民に回すことを宣言したものだ。

 

 我々保険医は、レセプトのオンライン請求義務化撤回を求めているのであって、レセコン導入費用の助成を求めているのではない。しかも、赤字国債発行で費用をまかない、国民に負担を押し付けることは、断じて許されることではない。義務化を撤回すれば「余計な」税金を使う必要はないのである。

 

 3月25日に開催された第8回経済財政諮問会議において、「2011年度までのレセプトオンライン化を確実に実施するため、診療所や薬局等へ支援策を講じる必要がある」「(支援をする)前提条件としては(オンライン請求義務化を)全面実施するということでやっていただきたい」などの意見が出されていた。つまり、当初は医療機関の負担でオンライン請求義務化を実施させようとしたが、我々保険医がレセプトオンライン請求義務化撤回を求めて、横浜地方裁判所に1月21日に提訴して以降、「義務化撤回」の運動が広がったため、やむなく国民負担に変更したに過ぎない。ここまで義務化に固執するのは、社会保障カードを先鞭にした「社会保障個人会計」の仕組みを導入することにより、医療費を始めとした社会保障費の抑制を容易に行えるようにする目的のためといえよう。現行の枠組みで社会保障費2200億円削減が我々国民の要求により軌道修正が浮上している中で、その代替措置・条件にしており、それを認めるわけにはいかない。

 

 我々保険医は、レセプトオンライン請求義務化撤回を求めるとともに、医療費抑制につながる施策に対し断固反対する。

2009年3月31日