スマートフォン版へ

  1. HOME
  2. 神奈川県保険医協会とは
  3. 私たちの考え
  4. オンライン訴訟原告団幹事長談話 「オンライン請求義務化撤回は大きな運動の成果 保険医が診療に専念できる施策を求む」

オンライン訴訟原告団幹事長談話 「オンライン請求義務化撤回は大きな運動の成果 保険医が診療に専念できる施策を求む」

オンライン請求義務化撤回は大きな運動の成果 

保険医が診療に専念できる施策を求む

 

オンライン義務化撤回訴訟原告団幹事長 入澤 彰仁

(神奈川県保険医協会副理事長) 


 11月25日、レセプトオンライン請求義務化を規定した省令111号が改正され、オンライン請求義務化は事実上撤回された。私たちレセプトオンライン請求義務化撤回訴訟原告団は、義務化を撤回できた点について大いに評価したいと考える。

 

 省令改正の概要は(1)電子レセプト請求(オンライン請求または電算請求)を原則とする(2)特例で手書き請求を認め、電子レセプト請求への移行は努力義務とする(3)常勤保険医がすべて65歳以上で電子レセプト請求の体制に無いところには書面(手書き紙レセプトやレセコン出力紙レセプト)による請求を求める。これには電子レセプト請求移行の努力義務はない-の3点。

  最大の懸案だった現在手書き請求を行っている医療機関に関して、特例として「努力義務」とすることで、継続を認めた。廃業の危機に晒されている手書き請求をしている保険医にとっても診療の継続の道が開かれ朗報となった。

  さらに電子レセプト請求の体制に無い医療機関で、常勤保険医がすべて65歳以上ならば、届け出ることによって書面による請求の継続を認めている。つまり、その場合は古いレセコンを使い続けて診療ができるということだ。

 

  これらを見る限りは、2006年4月10日に省令111号が出されて以降、「仲間を守る闘い」と位置づけてオンライン請求義務化撤回運動を続け、本年1月21日に横浜地方裁判所に提訴した私たちにとって、ほぼ要求が実現できているといえよう。

 

  しかし、オンライン請求の義務化は撤回されたが、電子レセプト請求がベースとなった。この問題は、オンライン義務化撤回訴訟の「請求の趣旨」とはやや異なる側面を有する問題であるが、訴状で指摘したように、レセプト情報は個人情報としては極めてセンシティブなものであり、その取り扱いは慎重にすべきだ。特に憲法13条に規定されるプライバシー権の侵害にならぬよう広く国民的な議論が必要と考える。さらに、国民の権利義務に関わる問題は省令ではなく、国会審議を通じて法律で定めるべきでものあり、国会を唯一の立法機関と定めた憲法41条に対しても抵触しないよう徹底すべきだ。

 

  また、手書き医療機関に関し、電子レセプト請求に対する「努力義務」が明記された。65歳以上保険医に対する書面請求の特例には「努力義務」は明記されていない。とすれば「努力義務」に対する何らかの要件が求められる可能性が否定できない。私たち原告団は「努力義務」の内容については、その該当者に委ねるべきと考える。決して本年4月の義務化猶予施設に対する「状況届」のような書類の提出を求めるようなことはあってはならない。

 

  私たち保険医は患者の診療を行うことが最も重要な仕事だ。省令改正をされた厚生労働大臣にこれを機にぜひお願いしたいことがある。医療崩壊といわれる地域医療の現場で身を挺してがんばっている保険医たちに二度とこのようなことで煩わせるようのないことを。 

2009年11月26日