保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

神奈川県保険医協会とは

開業医を中心とする保険医の生活と権利を守り、
国民の健康と医療の向上を目指す

TOP > 神奈川県保険医協会とは > 私たちの考え > 所得減少で閉院も検討/内科中心に経営悪化(経営実態会員調査)

所得減少で閉院も検討/内科中心に経営悪化(経営実態会員調査)

 2024年6月実施の診療報酬改定と、この間の物価高・人件費の高騰が医院経営に及ぼした影響を把握するため、会員に対し2023年度と2024年度の収入・原価・経費の実態調査を実施した。個人立・無床診療所では特に内科の減収・減益幅が大きく、事業所得は平均して前年度比▲約26%となった実態が明らかになった。

 

 結果の取りまとめはこちら

  

主な結果

  1. 調査概要

【調査期間】2025319日~326日、416日~512

3月実施時に確定申告の資料が手元にないとの意見を受け、調査期間を延長。

【調査の方法】神奈川県保険医協会よりFAXおよびGoogleフォームで会員送付

【有効回答数】56

【回答率】1.1

【備考】病院・有床診療所・医療法人・外れ値は除いて集計を実施した。

 

 

  1. 個人立・無床診療所での2024年度の経営状況(23年度比)
  • 内科診療所(個人立・無床診療所)では、23年度から収入が8%減少する一方、原価や経費の減少はわずかとなり、事業所得が4%も減少
  • 内科以外の医科診療所(個人立・無床診療所)では、内科ほどではないものの収入が約2%減少。その一方で原価や経費については前年度を上回り、事業所得は5%の減少となった。
  • 歯科診療所については収入が6%増加。原価は大きく増加しているものの経費を抑えたため、原価と経費をあわせた実額は23年度よりも減少している。そのため事業所得は増益となった。

 

※個人立の診療所の事業収入はそのまま院長の手取り収入となるのではなく、ここから所得税、医療機関のローン、院長個人の社会保険料などが引かれる。(ちなみに個人事業主の所得税は900万以上で33%、1800万以上で40%となっている。一定の控除あり。)

 

 

収入

原価

経費

事業所得

内科

(n=12)

92.0%

98.9%

99.0%

73.6%

内科以外

(n=15)

97.9%

102.3%

101.5%

87.5%

歯科

(n=12)

106.6%

110.2%

97.1%

129.0%

 

 

 

  1. 収入に対する各項目の割合

a.収入に対する「原価」の割合

 

内科

内科以外

歯科

2023年度

10.41%

23.44%

13.23%

2024年度

11.19%

24.50%

13.68%

増加幅

0.78%

1.06%

0.45%

収入に対する原価の割合は1025%ほどで、「内科以外」で割合が高い。上記カテゴリではいずれも微増。

 

 

b.収入に対する「経費」の割合

 

内科

内科以外

歯科

2023年度

62.04%

49.28%

62.59%

2024年度

66.79%

51.12%

57.05%

増加幅

4.74%

1.83%

-5.54%

収入に対する経費の割合は5067%ほど。医科の診療所では25%増加した一方、歯科で5%超減少した。これは歯科医療機関のデータの中に1000万規模で経費が減少した施設が含まれていることが影響していると考えられる。

 

 

c.収入に対する「事業所得」の割合

 

内科

内科以外

歯科

2023年度

27.54%

27.28%

24.18%

2024年度

22.02%

24.39%

29.27%

増加幅

-5.52%

-2.89%

5.09%

収入に対する事業所得の割合は2229%ほど。医科の診療所では36%ほど減少した。歯科では5%ほど増加した。

 

 

 

 2024年6月実施の診療報酬改定と、この間の物価高・人件費の高騰が医院経営に及ぼした影響を把握するため、会員に対し2023年度と2024年度の収入・原価・経費の実態調査を実施した。個人立・無床診療所では特に内科の減収・減益幅が大きく、事業所得は平均して前年度比▲約26%となった実態が明らかになった。

 

 結果の取りまとめはこちら

  

主な結果

  1. 調査概要

【調査期間】2025319日~326日、416日~512

3月実施時に確定申告の資料が手元にないとの意見を受け、調査期間を延長。

【調査の方法】神奈川県保険医協会よりFAXおよびGoogleフォームで会員送付

【有効回答数】56

【回答率】1.1

【備考】病院・有床診療所・医療法人・外れ値は除いて集計を実施した。

 

 

  1. 個人立・無床診療所での2024年度の経営状況(23年度比)
  • 内科診療所(個人立・無床診療所)では、23年度から収入が8%減少する一方、原価や経費の減少はわずかとなり、事業所得が4%も減少
  • 内科以外の医科診療所(個人立・無床診療所)では、内科ほどではないものの収入が約2%減少。その一方で原価や経費については前年度を上回り、事業所得は5%の減少となった。
  • 歯科診療所については収入が6%増加。原価は大きく増加しているものの経費を抑えたため、原価と経費をあわせた実額は23年度よりも減少している。そのため事業所得は増益となった。

 

※個人立の診療所の事業収入はそのまま院長の手取り収入となるのではなく、ここから所得税、医療機関のローン、院長個人の社会保険料などが引かれる。(ちなみに個人事業主の所得税は900万以上で33%、1800万以上で40%となっている。一定の控除あり。)

 

 

収入

原価

経費

事業所得

内科

(n=12)

92.0%

98.9%

99.0%

73.6%

内科以外

(n=15)

97.9%

102.3%

101.5%

87.5%

歯科

(n=12)

106.6%

110.2%

97.1%

129.0%

 

 

 

  1. 収入に対する各項目の割合

a.収入に対する「原価」の割合

 

内科

内科以外

歯科

2023年度

10.41%

23.44%

13.23%

2024年度

11.19%

24.50%

13.68%

増加幅

0.78%

1.06%

0.45%

収入に対する原価の割合は1025%ほどで、「内科以外」で割合が高い。上記カテゴリではいずれも微増。

 

 

b.収入に対する「経費」の割合

 

内科

内科以外

歯科

2023年度

62.04%

49.28%

62.59%

2024年度

66.79%

51.12%

57.05%

増加幅

4.74%

1.83%

-5.54%

収入に対する経費の割合は5067%ほど。医科の診療所では25%増加した一方、歯科で5%超減少した。これは歯科医療機関のデータの中に1000万規模で経費が減少した施設が含まれていることが影響していると考えられる。

 

 

c.収入に対する「事業所得」の割合

 

内科

内科以外

歯科

2023年度

27.54%

27.28%

24.18%

2024年度

22.02%

24.39%

29.27%

増加幅

-5.52%

-2.89%

5.09%

収入に対する事業所得の割合は2229%ほど。医科の診療所では36%ほど減少した。歯科では5%ほど増加した。