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開業とは?〜その1 「開業の主体は医師・歯科医師」「開業の目的」

 医師のライフスタイルを考えると、大学を卒業して直ぐに開業ということはありません。誰でも一定期間の勤務医時代を経てからとなります。医科の場合はそのまま勤務医を続けるという選択肢もありますが、歯科の場合は勤務医の枠が狭く、ほとんどの方が開業の道を選んでいるのが実態です。

 開業を目指す方々へ、まず考えてほしいことがあります。具体的な立地・資金計画などをたてる前に必要なこととは何でしょうか?

開業の主体は医師

 開業するのは医師本人だという自覚が一番大切です。あたり前のことと思われるかもしれません。しかし、いざい開業となると様々な計画立案・業者との交渉・書類作成など煩雑なことが多く、勤務医時代とのギャップに直面します。どうしても関連業者や税理士、経営コンサルタントという肩書きの人に任せてしまいたいという気持ちが出てきます。もちろん良き相談者として活用する意味はあるかもしれませんが、何よりも自分が開業するんだという自覚をもって全てを行っていく必要があります。

 また、一番の相談相手であり開業する際のパートナーでもあるのは家族、特に配偶者であるということを忘れてはいけません。1人で全てを決めるのではなく、常に話し合って計画を立案し、実行していきましょう。

開業の目的

 なぜ開業するのか、ということをまず自分に問いかけてください。歯科ではもともと定年まで勤務できる勤務先がほとんどありません。また医科でも最近は開業を選択する方が増えてきたように思えます。その理由として、1つには戦後の荒廃期の医療を支えてきた開業医の方が70歳以上の年齢になり、そろそろ引退していく時期に入ってきて、開業医の空白域ができてくるということ。もう1つは毎年8,000名ほどの大学の新卒医師が誕生する現状では、35歳くらいで将来のことを考えて、病院の部長などのポストの数に限りがあり開業を指向していかざるを得ないということです。

 しかし、医療を取り巻く情勢は、開業しさえすれば万事順調に推移するという状況ではなくなっています。診療報酬は2年に1回の改定しかなく、しかも諸経費の上昇率に見合うアップではありません。特にここ数年はマイナス改定が続いています。患者さんといえば、自己負担の増加で受診抑制傾向にあり、かつ病院指向にあると言われています。しかも、最近開業するには一定の設備・機材が必要で、借入金も膨らみますから、一度開業してしまったら、たとえ上手くいかなかったといって、すぐに放棄できるものではありません。

 開業にいたる動機は色々あると思いますが、なぜ開業するか、あるいはどういう目的をもって開業するのかは、明確にしておくべきでしょう。

(・・・続く)