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野本・保険医協会理事がBS11に登場 高齢者3割負担は深刻 安心感欠いた社会を衝く

 2009年2月28日、テレビのデジタル放送BS11の番組「にっぽんサイコー」で後期高齢者医療制度が取り上げられ、制度の問題点や生活に与える影響について野本協会理事のインタビューと診療所の患者の声が紹介された。

 

 インタビュアーはジャーナリストの有田芳生氏。野本理事の藤沢診療所の待合室にいる70代の患者に、後期高齢者医療制度実施後の生活変化についてマイクを向けた。

 男性患者は「生活は変わらないが、今後、2割、3割と負担が上がったらと、不安。とんでもないこと」と困惑顔。また女性患者は「60代のときに10年後はゴールドプランで良くなるといわれたのに一年ごとに悪くなる。政治は何をやっているんでしょう」と疑問を投げかけた。別の女性患者は「4月から保険料を天引きれたが、定額給付金をばら撒くなら他に回して欲しい」と憤った。

 

 この後、野本理事にインタビュー。野本理事は「多くは負担が1割のままで済むのかと不安を覚えている」とし保険料アップ、年金額減少、扶養されている息子の経済不況、自身の年金を息子の家計へ充当、と生活の安心感がなくなっていると指摘。

 制度創設を機に、国の医療への支出が減って地方と現役世代の負担も増えており、この隠れた問題は知られていないとした。

 

 また具体的な声、影響として、一定額収入以上(単身383万円、夫婦520万円)の3割負担の方が深刻と紹介。高齢者は1ヵ所の受診では済まず、医療費は嵩む。1割と3割の線引きは非課税ぎりぎりのラインで分かれており、圧倒的に非課税をちょっと超えたレベルで生活は苦しい。実際、糖尿病で2ヶ月来院しない人がいる。診察室で患者は懐具合まで明かさないが、中断は重症患者だと深刻だ。定率負担は収入により高率な負担となる。重症な慢性疾患は特別な負担割合とすべきだ―と訴えた。

 

 更には、改革により制度が悪くなっている経験から、将来への大きな不安を高齢患者は抱えていると憂えた。

 

神奈川県保険医新聞より抜粋

(2009年3月25日・第1754号)