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「医療情報は対象外」を明言 共通番号制で内閣官房と懇談しました

 神奈川県保険医協会は2011年12月9日、田村智子議員(参・共)の仲介で、社会保障・税の共通番号制度(以下:番号制)に関する内閣官房との懇談を実施しました。当日は、内閣官房から社会保障改革担当室参事官補佐の浅岡孝充氏が出席。協会からは事務局員が、また保団連や東京協会の事務局、田村議員秘書、しんぶん赤旗記者が出席しました。

 

 懇談では、浅岡氏より番号制に関する政府内での検討事項について説明(下表)。被保険者証と番号カードの併存となること等にも触れられました。

 

(以下:2012年1月25日号 神奈川県保険医新聞より)


 

「総合合算」導入は当分先 「医療情報は対象外」を明言

 

内閣官房 番号制に関する主な検討事項

 

・今通常国会に番号法案を提出、2015年1月からの利用開始を目標とする

・病名など医療情報は番号制の対象外。番号法とは別途特別法により特段の措置を講ずる(2013年の通常国会に提出予定)

・保険給付等事務に関する情報は番号制の対象

・個人情報保護の監視・監督のために独立性の高い第三者機関(三条委員会)を新設

・2014年6月より国民に番号を通知。また、個人の番号に対応した番号カード(ICカード)を交付(希望者が行政窓口で申請)

・番号カードは被保険者証の代替として利用可能。医療機関は番号カードの読取用の端末等を導入することで保険資格を確認

 協会からは、番号制が対象とする保険給付事務の情報にレセプト情報が該当する場合、病名・診療内容等の医療情報が含まれる点を指摘。「レセプトから医療費や資格等の給付情報だけを切り分けることは不可能ではないか」と質した。

 これに対し浅岡氏は「現在、厚労省で検討中」としながらも、「切り分けできない情報は番号制の対象にならないと思う」と歯切れの悪い回答に止めた。

 

 また、政府が番号制の目玉としている『総合合算制度』の実施時期について質したところ、2015年1月の番号制利用開始との同時施行は不可能であることを明言。「制度の内容も未だ検討段階。当分先の話になる」と回答した。

 

 続いて、医療機関が番号カード(ICカード)で患者の保険資格を確認する場合に使用する、読取用の端末(カードリーダー)とネット回線の設置のための費用負担について質問。

 浅岡氏は個人の見解として、カードリーダーの価格が安いことを理由に「医療機関の負担になると思う」と回答。また、診療請求に係る一番の問題が保険資格喪失による確認・徴収などの事務負担にあるとし、番号カードによって大幅な負担軽減が見込めると強調した。

 これに対し、協会・保団連はネット回線の月額負担などの費用は決して少なくないこと、資格喪失者が行政窓口まで行って番号カードの申請を行うことは考え難く、資格喪失者対策としての実効性に疑問を呈した。

 

 最後に、協会より番号制の導入目的が不明瞭な点を指摘。これに対し浅岡氏は、番号制はあくまでインフラ整備と回答。「番号制というインフラがあることで、総合合算制度など給付や負担の公平性を確保するための新たな制度が構築できる」と述べた。

 神奈川県保険医協会は2011年12月9日、田村智子議員(参・共)の仲介で、社会保障・税の共通番号制度(以下:番号制)に関する内閣官房との懇談を実施しました。当日は、内閣官房から社会保障改革担当室参事官補佐の浅岡孝充氏が出席。協会からは事務局員が、また保団連や東京協会の事務局、田村議員秘書、しんぶん赤旗記者が出席しました。

 

 懇談では、浅岡氏より番号制に関する政府内での検討事項について説明(下表)。被保険者証と番号カードの併存となること等にも触れられました。

 

(以下:2012年1月25日号 神奈川県保険医新聞より)


 

「総合合算」導入は当分先 「医療情報は対象外」を明言

 

内閣官房 番号制に関する主な検討事項

 

・今通常国会に番号法案を提出、2015年1月からの利用開始を目標とする

・病名など医療情報は番号制の対象外。番号法とは別途特別法により特段の措置を講ずる(2013年の通常国会に提出予定)

・保険給付等事務に関する情報は番号制の対象

・個人情報保護の監視・監督のために独立性の高い第三者機関(三条委員会)を新設

・2014年6月より国民に番号を通知。また、個人の番号に対応した番号カード(ICカード)を交付(希望者が行政窓口で申請)

・番号カードは被保険者証の代替として利用可能。医療機関は番号カードの読取用の端末等を導入することで保険資格を確認

 協会からは、番号制が対象とする保険給付事務の情報にレセプト情報が該当する場合、病名・診療内容等の医療情報が含まれる点を指摘。「レセプトから医療費や資格等の給付情報だけを切り分けることは不可能ではないか」と質した。

 これに対し浅岡氏は「現在、厚労省で検討中」としながらも、「切り分けできない情報は番号制の対象にならないと思う」と歯切れの悪い回答に止めた。

 

 また、政府が番号制の目玉としている『総合合算制度』の実施時期について質したところ、2015年1月の番号制利用開始との同時施行は不可能であることを明言。「制度の内容も未だ検討段階。当分先の話になる」と回答した。

 

 続いて、医療機関が番号カード(ICカード)で患者の保険資格を確認する場合に使用する、読取用の端末(カードリーダー)とネット回線の設置のための費用負担について質問。

 浅岡氏は個人の見解として、カードリーダーの価格が安いことを理由に「医療機関の負担になると思う」と回答。また、診療請求に係る一番の問題が保険資格喪失による確認・徴収などの事務負担にあるとし、番号カードによって大幅な負担軽減が見込めると強調した。

 これに対し、協会・保団連はネット回線の月額負担などの費用は決して少なくないこと、資格喪失者が行政窓口まで行って番号カードの申請を行うことは考え難く、資格喪失者対策としての実効性に疑問を呈した。

 

 最後に、協会より番号制の導入目的が不明瞭な点を指摘。これに対し浅岡氏は、番号制はあくまでインフラ整備と回答。「番号制というインフラがあることで、総合合算制度など給付や負担の公平性を確保するための新たな制度が構築できる」と述べた。