保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

神奈川県保険医協会とは

開業医を中心とする保険医の生活と権利を守り、
国民の健康と医療の向上を目指す

TOP > 神奈川県保険医協会とは > 私たちの考え > 2009/6/29 オンライン訴訟原告団幹事長談話「オンライン請求義務化の強制のために 『指導』を使った脅しは許されない」

2009/6/29 オンライン訴訟原告団幹事長談話「オンライン請求義務化の強制のために 『指導』を使った脅しは許されない」

オンライン請求義務化の強制のために

「指導」を使った脅しは許されない

神奈川県保険医協会

副理事長 入澤 彰仁

(オンライン訴訟原告団幹事長)


 厚生労働省は、6月18日、オンライン請求義務化を推進するため、本年5月の省令改正で義務化期限が延期された400床未満の電算等対応病院やレセコンありの調剤薬局に対し、審査支払機関からオンライン請求のための「勧奨」や、それに従わない施設に対する地方厚生局による「指導」について通知を出した。

 すでに我々は6月5日に発表した談話で、この「指導」ついて健康保険法73条の指導には当たらないという点を指摘した。これに当てつけるように通知の中で「ここでいう指導とは、健康保険法(大正11年法律第70号)73条等に基づく指導であるが、『保険医療機関等及び保険医等の指導及びについて監査について』(平成7年12月22日保発第117号保険局通知)に定める指導大綱に基づく指導ではないことを申し添える」と強弁した。

 通知では、「保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の3」の規定を指導の根拠として示したが、なぜ、健康保険法73条を敢えて出している意味は何か。

 健康保険法第73条は「厚生労働大臣の指導」について規定しており、その対象は「保険医療機関及び保険薬局は療養の給付」「保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤」に関することになっている。さらにレセプトオンライン請求義務化撤回訴訟の訴状において我々は、請求省令に委任しているのはあくまで請求の実務の事務的委任であることを指摘した。しかし、厚生労働省は、請求省令に委任していることは、事務的委任より広い概念を含めていると匂わせたいのではないか。今後、保険医療機関の統制強化に、療養の給付の概念の拡大解釈によって、健康保険法73条の「指導」が軽々に使われる第一歩と感じるのは考えすぎだろうか。

 今後、「勧奨」に従わない施設に対する「指導」方針が出されることになっている。つまり、指導の根拠法に健康保険法73条を用いて、その状況に応じ指導方針を出すということは、とりあえず逮捕して取調べで自白にさせ罪を被せる冤罪を生むような方法と類似しており、保険医、保険医療機関に対する「脅し」として使われることになりかねない。

 このような方法は民主主義社会の中であってはならないことである。

 厚生労働省は規制改革会議の質問に対し、来年4月にオンライン請求義務化期限を迎えるレセコンありの医科診療所に対しても、義務化期限以前から「勧奨」「指導」をおこなっていくことを明言している。義務化期限までは、いつオンライン請求を導入しようが医療機関の自由である。それを「指導」をちらつかせオンライン請求導入に囃し立てるということは、医療機関の主体性を踏みにじるものであり、断じて認めるわけにはいかない。

 厚生労働省は当初、オンライン請求義務化には積極的ではなかった。しかし、小泉構造改革の中で小泉元首相の鶴の一声で義務化が決まったとされている。それ以降、厚生労働省は規制改革会議に屈服し、現在の医療崩壊をはじめとした社会保障が機能しない事態を招き、国民が疲弊してしまい、さすがに「骨太の方針2009」でも社会保障2200億円削減の継続は断念せざるを得なかったことは、もはや小泉構造改革が失敗であったことの証左であろう。厚生労働省はこのまま規制改革会議の手先に成り下がり、オンライン請求義務化を規定した請求省令を撤回しなければ、医療崩壊はさらに加速し、日本の医療が再び立ち上がることはなくなるだろう。このようなことにならないよう、厚生労働省は直ちにオンライン請求義務化を撤回することを求める。

2009年6月29日

 

オンライン請求義務化の強制のために

「指導」を使った脅しは許されない

神奈川県保険医協会

副理事長 入澤 彰仁

(オンライン訴訟原告団幹事長)


 厚生労働省は、6月18日、オンライン請求義務化を推進するため、本年5月の省令改正で義務化期限が延期された400床未満の電算等対応病院やレセコンありの調剤薬局に対し、審査支払機関からオンライン請求のための「勧奨」や、それに従わない施設に対する地方厚生局による「指導」について通知を出した。

 すでに我々は6月5日に発表した談話で、この「指導」ついて健康保険法73条の指導には当たらないという点を指摘した。これに当てつけるように通知の中で「ここでいう指導とは、健康保険法(大正11年法律第70号)73条等に基づく指導であるが、『保険医療機関等及び保険医等の指導及びについて監査について』(平成7年12月22日保発第117号保険局通知)に定める指導大綱に基づく指導ではないことを申し添える」と強弁した。

 通知では、「保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の3」の規定を指導の根拠として示したが、なぜ、健康保険法73条を敢えて出している意味は何か。

 健康保険法第73条は「厚生労働大臣の指導」について規定しており、その対象は「保険医療機関及び保険薬局は療養の給付」「保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤」に関することになっている。さらにレセプトオンライン請求義務化撤回訴訟の訴状において我々は、請求省令に委任しているのはあくまで請求の実務の事務的委任であることを指摘した。しかし、厚生労働省は、請求省令に委任していることは、事務的委任より広い概念を含めていると匂わせたいのではないか。今後、保険医療機関の統制強化に、療養の給付の概念の拡大解釈によって、健康保険法73条の「指導」が軽々に使われる第一歩と感じるのは考えすぎだろうか。

 今後、「勧奨」に従わない施設に対する「指導」方針が出されることになっている。つまり、指導の根拠法に健康保険法73条を用いて、その状況に応じ指導方針を出すということは、とりあえず逮捕して取調べで自白にさせ罪を被せる冤罪を生むような方法と類似しており、保険医、保険医療機関に対する「脅し」として使われることになりかねない。

 このような方法は民主主義社会の中であってはならないことである。

 厚生労働省は規制改革会議の質問に対し、来年4月にオンライン請求義務化期限を迎えるレセコンありの医科診療所に対しても、義務化期限以前から「勧奨」「指導」をおこなっていくことを明言している。義務化期限までは、いつオンライン請求を導入しようが医療機関の自由である。それを「指導」をちらつかせオンライン請求導入に囃し立てるということは、医療機関の主体性を踏みにじるものであり、断じて認めるわけにはいかない。

 厚生労働省は当初、オンライン請求義務化には積極的ではなかった。しかし、小泉構造改革の中で小泉元首相の鶴の一声で義務化が決まったとされている。それ以降、厚生労働省は規制改革会議に屈服し、現在の医療崩壊をはじめとした社会保障が機能しない事態を招き、国民が疲弊してしまい、さすがに「骨太の方針2009」でも社会保障2200億円削減の継続は断念せざるを得なかったことは、もはや小泉構造改革が失敗であったことの証左であろう。厚生労働省はこのまま規制改革会議の手先に成り下がり、オンライン請求義務化を規定した請求省令を撤回しなければ、医療崩壊はさらに加速し、日本の医療が再び立ち上がることはなくなるだろう。このようなことにならないよう、厚生労働省は直ちにオンライン請求義務化を撤回することを求める。

2009年6月29日