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2010/8/26 理事会声明「厚生労働省の向本医療指導管理官の罷免を求める」

厚生労働省の向本医療指導管理官の

罷免を求める

神奈川県保険医協会

第24期第20回理事会


 先の厚生労働省の政策コンテストにおいて、向本時夫医療指導管理官による「保険医療指導監査部門の充実強化」が提出され、犯罪捜査のプロである警察庁、警視庁の出向者を受け入れ、指導監査を犯罪捜査と同列視し実施することが提案された。この政策コンテストは次年度の同省の新規施策を考案するために募集されたものであり、提案者の責任をもった提案である。

 もとより保険医療機関の指導監査は、健保法第73条(指導)、第78条(質問調査)に基づき、指導大綱・監査要綱に則り行われる。その目的は「保険診療の質的向上と適正化」であり、「懇切丁寧」な保険ルールの周知徹底を旨としており、刑法上の犯罪容疑者の取り調べとは全く別物である。

 健保法を曲解し、指導大綱・監査要綱を逸脱した提案を平気で行うこの向本医療指導管理官は、その担当部門での適格性を欠いている。国家公務員は法令順守を義務づけられており、その逸脱は国家公務員法第82条第1項二の懲戒処分に該当する。われわれは向本氏の罷免を求めるものである。

 

 向本氏の提案では、犯罪捜査のプロの受け入れで、医療者の「牽制効果が期待できる」、厚生労働省の「職員の資質の向上を図る」としている。しかしながら、皆保険発足当初から、恣意的かつ人権を蹂躙した指導・監査があとを絶たず、山口、宮城、富山県などで多くの自殺者を生み出している。行政手続き法施行に伴い新「指導大綱・監査要綱」による実施(96年)となった以降も、"蛇の生殺し"的な「中断」など、運用上の逸脱が巧妙化・組織化し更なる悲劇を繰り返している。

 しかも医療内容とは無関係に、高点数医療機関を抽出し指導することで全体を委縮診療に追いこみ、内科でのレセプト1件あたり平均点が1241.0点(1996年)から1031.7点(2009年)へ▲16.9%と極端に落ち込んでいる。歯科も同様に1493.8点が1243.6点へ▲16.8%と下落しており、これらは診療報酬改定率累計▲8.3%を大幅に上回っている。つまり、患者一人当たり医療費が落とされ、治療内容を手薄にするように「圧力」がかけられてきているのである。

 つまり、憲法や健保法の曲解と、行政裁量の無制限化が跋扈しているのであり、保険診療の質の向上などは何ら図られていないのである。

 

 おりしも、医療専門ネットニュースのm3.comの取材に対し、向本氏は自身の言葉で指導・監査を「取り調べ」と言い放ち、不正請求を「詐欺罪」と断じるなど、本音を吐露している。しかも「提案が出ると大反響を呼ぶと思っていました」と、その"確信犯"ぶりをあけすけにしてさえいる。

 

 指導・監査は向本氏いわく、全国標準化のため社会保険庁から厚生局に移管され、閣議決定で毎年8000件の個別指導が目標化されている。向本氏の属する保険局医療課・医療指導監査室は、地方厚生局とともに実際に共同指導にあたるなど、その指摘事項や手法は全国の「基準」となっていく。

 

 生存権保障(憲法25条)に基づき国民の医療を保障した健保法、医療保険制度と向本氏の認識とは相いれず、保険診療の質の向上と逆行した職務に邁進する向本氏は、甚だ不適任である。確信犯の向本氏は即時に罷免を求めたい。また長妻厚労大臣には今回の事態を重く受けとめ、指導監査室の官僚諸氏の再教育と綱紀粛正を第一に努めてもらいたい。

2010年8月26

 

厚生労働省の向本医療指導管理官の

罷免を求める

神奈川県保険医協会

第24期第20回理事会


 先の厚生労働省の政策コンテストにおいて、向本時夫医療指導管理官による「保険医療指導監査部門の充実強化」が提出され、犯罪捜査のプロである警察庁、警視庁の出向者を受け入れ、指導監査を犯罪捜査と同列視し実施することが提案された。この政策コンテストは次年度の同省の新規施策を考案するために募集されたものであり、提案者の責任をもった提案である。

 もとより保険医療機関の指導監査は、健保法第73条(指導)、第78条(質問調査)に基づき、指導大綱・監査要綱に則り行われる。その目的は「保険診療の質的向上と適正化」であり、「懇切丁寧」な保険ルールの周知徹底を旨としており、刑法上の犯罪容疑者の取り調べとは全く別物である。

 健保法を曲解し、指導大綱・監査要綱を逸脱した提案を平気で行うこの向本医療指導管理官は、その担当部門での適格性を欠いている。国家公務員は法令順守を義務づけられており、その逸脱は国家公務員法第82条第1項二の懲戒処分に該当する。われわれは向本氏の罷免を求めるものである。

 

 向本氏の提案では、犯罪捜査のプロの受け入れで、医療者の「牽制効果が期待できる」、厚生労働省の「職員の資質の向上を図る」としている。しかしながら、皆保険発足当初から、恣意的かつ人権を蹂躙した指導・監査があとを絶たず、山口、宮城、富山県などで多くの自殺者を生み出している。行政手続き法施行に伴い新「指導大綱・監査要綱」による実施(96年)となった以降も、"蛇の生殺し"的な「中断」など、運用上の逸脱が巧妙化・組織化し更なる悲劇を繰り返している。

 しかも医療内容とは無関係に、高点数医療機関を抽出し指導することで全体を委縮診療に追いこみ、内科でのレセプト1件あたり平均点が1241.0点(1996年)から1031.7点(2009年)へ▲16.9%と極端に落ち込んでいる。歯科も同様に1493.8点が1243.6点へ▲16.8%と下落しており、これらは診療報酬改定率累計▲8.3%を大幅に上回っている。つまり、患者一人当たり医療費が落とされ、治療内容を手薄にするように「圧力」がかけられてきているのである。

 つまり、憲法や健保法の曲解と、行政裁量の無制限化が跋扈しているのであり、保険診療の質の向上などは何ら図られていないのである。

 

 おりしも、医療専門ネットニュースのm3.comの取材に対し、向本氏は自身の言葉で指導・監査を「取り調べ」と言い放ち、不正請求を「詐欺罪」と断じるなど、本音を吐露している。しかも「提案が出ると大反響を呼ぶと思っていました」と、その"確信犯"ぶりをあけすけにしてさえいる。

 

 指導・監査は向本氏いわく、全国標準化のため社会保険庁から厚生局に移管され、閣議決定で毎年8000件の個別指導が目標化されている。向本氏の属する保険局医療課・医療指導監査室は、地方厚生局とともに実際に共同指導にあたるなど、その指摘事項や手法は全国の「基準」となっていく。

 

 生存権保障(憲法25条)に基づき国民の医療を保障した健保法、医療保険制度と向本氏の認識とは相いれず、保険診療の質の向上と逆行した職務に邁進する向本氏は、甚だ不適任である。確信犯の向本氏は即時に罷免を求めたい。また長妻厚労大臣には今回の事態を重く受けとめ、指導監査室の官僚諸氏の再教育と綱紀粛正を第一に努めてもらいたい。

2010年8月26