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2021/6/10 理事会声明 「新型コロナワクチン接種での死亡・重篤例の救済を政府に求める」

新型コロナワクチン接種での死亡・重篤例の救済を政府に求める

 

神奈川県保険医協会 第30期第1回理事会

 

ワクチン接種希望者への万全の保障を

 新型コロナワクチンの接種が、全国で徐々に進められている。社会的な集団免疫の早期の獲得が期待されるが、接種後に死亡が196例生じている(6/9現在)。また副反応、有害事象の報告もある。これらのワクチンとの因果関係の解明とともに、死亡や健康被害に関し、手厚い救済措置を敷くことが肝要と考える。なぜなら、①新型コロナワクチンは限定的な知見での「特例承認」のため、今後の知見集積を必要としており、②不幸な有害事象の発生への将来的な因果関係の究明も可能性があるため、③コロナ収束が喫緊の国民的課題の今だからこそ、とりうる最善の制度的補償を敷くべきである。そのため、因果関係を問わない救済スキームを早期に制度化、「特例措置」化をすることを求める。

 

現行の救済制度は「因果関係」が必須

新型コロナは死亡・重篤の報告義務あり

 ワクチン接種での健康被害は、予防接種被害救済制度での救済となる。死亡は一時金約4,400万円、障害は障害年金が年約500万円などと医療費の自己負担分を併せ支給となる。

 ただ、因果関係が明確なものへの給付であり、「疾病・障害認定審査会/感染症・予防接種審査分科会」が審査にあたっている。この審査は給付申請の認否に関し、因果関係を判断し決定する形だが、結果のみ公表され、審議内容は公開されていない。

 予防接種法では、「予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状」は、「症状」と「発生時間」を基準に、国への報告が医療機関に義務付けられている。新型コロナワクチンは4時間以内の「アナフィラキシー」と「その他の反応」が定められている。後者は①入院と②死亡または永続的機能不全に陥る恐れがある場合で、無呼吸、脳症・脳炎など23症状からの選択か、「症状名」の記載となる。

 

死亡196例、因果関係が「評価できず」が大半

因果不問の救済は1千億円 接種体制費用の1/5

 6月9日開催の「第61回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会、令和3年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)」に最新資料が提出されているが、死亡196例のうち57例は「評価中」、139例は「情報不足等により因果関係が評価できないもの」(評価区分γ)であり、「因果関係が認められないもの」(評価区分β)は1例もない。しかも、196例のうち解剖(病理解剖:剖検)11例、CT及び死亡時画像診断49例で計60例と死因究明の探索は約1/3にとどまっている。因果関係を理由とせずに救済は、現状では道理である。

 また、これらを含む「副反応疑い」報告は推定接種者数(回分)13,059,159(2/17~5/30)に対し、副反応疑い10,658(0.08%)、うち重篤1,260(0.01%)であり、重篤は1万人に1人の頻度である。

 死亡は0.0009%の発生頻度、つまり11万人に1人である。これらの数字を仮置きの指標として必要額を試算する。16歳以上人口が約1億1千万人なので年間の死亡数の推定は1億1千万人/11万人=1,000人。死亡時の一時金4,400万円で積算すると440億円となる。後遺障害のある重篤例数は推定で11,000人。障害年金500万円で積算すると550億円。両者の合計で1,000億円となる。

 この間、20年度の三次補正予算では、「ワクチン接種体制等の整備 5,798億円」が計上され、ほかに緊急包括支援交付金の未執行が2兆円以上もある。現行制度でコロナワクチン接種での死亡・重篤例を「因果関係不問」とする救済措置は予算規模上、可能であり、「特例措置」での運用は合理的でもある。

 ワクチンの特例承認は国内第Ⅱ相試験までで、海外第Ⅲ相試験の結果で承認としており知見に限度がある。僅少な数の法医(全国200名)、困難な承諾解剖、コロナワクチン接種とコロナ患者対応で忙殺される医療現場。この段階で、因果関係不問の救済は人道的でもある。因みに治験保険は治験薬等との因果関係が否定されないものまで補償し因果関係が不明なものも含まれる。要件を課すのであれば能書に記された死亡・重篤事例の発現の「14日以内」が一つの指標となる。コロナ禍でアビガンなどは人道的使用を認めるなど「有事対応」が採られてきた。いまも「有事」である。政府の英断を期待したい。

2021年6月10日

 

新型コロナワクチン接種での死亡・重篤例の救済を政府に求める

 

神奈川県保険医協会 第30期第1回理事会

 

ワクチン接種希望者への万全の保障を

 新型コロナワクチンの接種が、全国で徐々に進められている。社会的な集団免疫の早期の獲得が期待されるが、接種後に死亡が196例生じている(6/9現在)。また副反応、有害事象の報告もある。これらのワクチンとの因果関係の解明とともに、死亡や健康被害に関し、手厚い救済措置を敷くことが肝要と考える。なぜなら、①新型コロナワクチンは限定的な知見での「特例承認」のため、今後の知見集積を必要としており、②不幸な有害事象の発生への将来的な因果関係の究明も可能性があるため、③コロナ収束が喫緊の国民的課題の今だからこそ、とりうる最善の制度的補償を敷くべきである。そのため、因果関係を問わない救済スキームを早期に制度化、「特例措置」化をすることを求める。

 

現行の救済制度は「因果関係」が必須

新型コロナは死亡・重篤の報告義務あり

 ワクチン接種での健康被害は、予防接種被害救済制度での救済となる。死亡は一時金約4,400万円、障害は障害年金が年約500万円などと医療費の自己負担分を併せ支給となる。

 ただ、因果関係が明確なものへの給付であり、「疾病・障害認定審査会/感染症・予防接種審査分科会」が審査にあたっている。この審査は給付申請の認否に関し、因果関係を判断し決定する形だが、結果のみ公表され、審議内容は公開されていない。

 予防接種法では、「予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状」は、「症状」と「発生時間」を基準に、国への報告が医療機関に義務付けられている。新型コロナワクチンは4時間以内の「アナフィラキシー」と「その他の反応」が定められている。後者は①入院と②死亡または永続的機能不全に陥る恐れがある場合で、無呼吸、脳症・脳炎など23症状からの選択か、「症状名」の記載となる。

 

死亡196例、因果関係が「評価できず」が大半

因果不問の救済は1千億円 接種体制費用の1/5

 6月9日開催の「第61回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会、令和3年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)」に最新資料が提出されているが、死亡196例のうち57例は「評価中」、139例は「情報不足等により因果関係が評価できないもの」(評価区分γ)であり、「因果関係が認められないもの」(評価区分β)は1例もない。しかも、196例のうち解剖(病理解剖:剖検)11例、CT及び死亡時画像診断49例で計60例と死因究明の探索は約1/3にとどまっている。因果関係を理由とせずに救済は、現状では道理である。

 また、これらを含む「副反応疑い」報告は推定接種者数(回分)13,059,159(2/17~5/30)に対し、副反応疑い10,658(0.08%)、うち重篤1,260(0.01%)であり、重篤は1万人に1人の頻度である。

 死亡は0.0009%の発生頻度、つまり11万人に1人である。これらの数字を仮置きの指標として必要額を試算する。16歳以上人口が約1億1千万人なので年間の死亡数の推定は1億1千万人/11万人=1,000人。死亡時の一時金4,400万円で積算すると440億円となる。後遺障害のある重篤例数は推定で11,000人。障害年金500万円で積算すると550億円。両者の合計で1,000億円となる。

 この間、20年度の三次補正予算では、「ワクチン接種体制等の整備 5,798億円」が計上され、ほかに緊急包括支援交付金の未執行が2兆円以上もある。現行制度でコロナワクチン接種での死亡・重篤例を「因果関係不問」とする救済措置は予算規模上、可能であり、「特例措置」での運用は合理的でもある。

 ワクチンの特例承認は国内第Ⅱ相試験までで、海外第Ⅲ相試験の結果で承認としており知見に限度がある。僅少な数の法医(全国200名)、困難な承諾解剖、コロナワクチン接種とコロナ患者対応で忙殺される医療現場。この段階で、因果関係不問の救済は人道的でもある。因みに治験保険は治験薬等との因果関係が否定されないものまで補償し因果関係が不明なものも含まれる。要件を課すのであれば能書に記された死亡・重篤事例の発現の「14日以内」が一つの指標となる。コロナ禍でアビガンなどは人道的使用を認めるなど「有事対応」が採られてきた。いまも「有事」である。政府の英断を期待したい。

2021年6月10日