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医療機関の窮状―「物価高騰の現実」

 日本では、治療を目的としない美容整形などの特別な場合を除き、ほとんどの人が健康保険に加入し、少ない自己負担で医療を受けられます。全国どこでも同じ内容の医療を同じ価格で受けられるよう、診察や検査、治療の料金は国が決めています。薬の値段や人工関節などの医療材料の価格も国が決めており、医療機関が自由に値段を変えることはできません。

 しかし近年、医療機関を取り巻く環境は急速に厳しくなっています。まず、電気代やガス代などの光熱費が大幅に上がりました。さらに、手袋や注射器、ガーゼなど、感染対策に欠かせない使い捨ての医療用品の多くはプラスチック製で、原油価格の高騰や円安の影響を受けて仕入れ値が大きく上昇しています。薬の原料も多くが海外から輸入されており、円安や供給の混乱で調達コストが増え、必要な薬を確保するだけでも負担が重くなっています。

 加えて、人件費の上昇や、都市部を中心とした地価やテナント料の高騰も経営を圧迫しています。医療は多くのスタッフの力で成り立つため、人を減らすことは現実的ではありません。安全で衛生的な建物を維持するための費用も避けられず、固定費は増える一方です。

 ところが、診療報酬や薬価などは国が決めるため、物価が上がっても医療機関が自由に収入を増やすことはできません。支出だけが増え、収入は据え置きという状況が続いています。厚労省の最新データでは、病院の約6割、診療所の多くが赤字で、倒産件数も過去最多を更新し続けています。

 医療は私たちの生活を支える大切な基盤です。安心して受診できる体制を守るためにも、医療機関が健全に運営できる環境づくりが欠かせません。今起きている現実を知ることが、医療を未来につなぐ第一歩になります。

 

 日本では、治療を目的としない美容整形などの特別な場合を除き、ほとんどの人が健康保険に加入し、少ない自己負担で医療を受けられます。全国どこでも同じ内容の医療を同じ価格で受けられるよう、診察や検査、治療の料金は国が決めています。薬の値段や人工関節などの医療材料の価格も国が決めており、医療機関が自由に値段を変えることはできません。

 しかし近年、医療機関を取り巻く環境は急速に厳しくなっています。まず、電気代やガス代などの光熱費が大幅に上がりました。さらに、手袋や注射器、ガーゼなど、感染対策に欠かせない使い捨ての医療用品の多くはプラスチック製で、原油価格の高騰や円安の影響を受けて仕入れ値が大きく上昇しています。薬の原料も多くが海外から輸入されており、円安や供給の混乱で調達コストが増え、必要な薬を確保するだけでも負担が重くなっています。

 加えて、人件費の上昇や、都市部を中心とした地価やテナント料の高騰も経営を圧迫しています。医療は多くのスタッフの力で成り立つため、人を減らすことは現実的ではありません。安全で衛生的な建物を維持するための費用も避けられず、固定費は増える一方です。

 ところが、診療報酬や薬価などは国が決めるため、物価が上がっても医療機関が自由に収入を増やすことはできません。支出だけが増え、収入は据え置きという状況が続いています。厚労省の最新データでは、病院の約6割、診療所の多くが赤字で、倒産件数も過去最多を更新し続けています。

 医療は私たちの生活を支える大切な基盤です。安心して受診できる体制を守るためにも、医療機関が健全に運営できる環境づくりが欠かせません。今起きている現実を知ることが、医療を未来につなぐ第一歩になります。