神奈川県保険医協会とは
開業医を中心とする保険医の生活と権利を守り、
国民の健康と医療の向上を目指す
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社会保険料を減らすと本当に得なのか?
「社会保険料を下げて手取りを増やそう」という話は、一見するとみんなが得をするように聞こえます。でも、人生全体で見ると必ずしもそうとは言えません。
例えば、社会保険料の中の公的医療保険の保険料について考えてみましょう。感染症やその他の病気になったとき、医療機関に行くと治療してもらえますが、その時に患者さんが払うお金は実は一部だけなのです。医療にかかるお金の大半が、保険料によって集めたお金で賄われているのです。
- 病気でない時は使わないけど、病気になったら皆が使えるのが公的保険
日本の公的医療保険は皆保険と言われ、病気になっていてもいなくても、国民みんなが加入して、保険料を払います。病気になっていない時にはあまり使わないので、少し損に感じるけれど、病気がちになったときに大きく助けてもらえることになります。もしこの保険料の支払いを減らすと、公的保険で使えるお金が少なくなり、公的保険の効く範囲が小さくなることが想定されます。そうなると個人にとっては、病気に備えて民間の高い保険に入る必要性が高まるでしょう。すると結果として、生涯で支払う額はむしろ増えかねません。
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民間保険が守るのは"顧客"であって"患者"ではない
民間保険は営利なので、▼病気になりそうな人には高い保険料▼病歴がある人は加入を断られる、というのが普通です。公的保険が弱まると、アメリカのように「高い保険料+高い医療費」を個人が背負う社会に近づきます。
- みんなでリスクを分散する仕組みが公的な医療保険です
人は「手取りがすぐに増える」という短期の利益につい飛びつきがちです。しかしその裏で、大きな医療リスクを自分で抱えることになれば、結果的に生涯の可処分所得は減ってしまう可能性があります。
社会保険は、大丈夫なうちから"少しずつ負担すること"で、必要な時の"とても大きな安心"に備える仕組みです。ここを削ることは、短期的には得に見えても、人生全体ではむしろ損につながりやすい。そう考えると、"社会保険料を下げればみんな得する"という単純な話ではない、ということがわかります。
みんなでリスクを分散する仕組みが公的な医療保険です。
その仕組みを理解して、賢い選択をしていきたいですね。
「社会保険料を下げて手取りを増やそう」という話は、一見するとみんなが得をするように聞こえます。でも、人生全体で見ると必ずしもそうとは言えません。
例えば、社会保険料の中の公的医療保険の保険料について考えてみましょう。感染症やその他の病気になったとき、医療機関に行くと治療してもらえますが、その時に患者さんが払うお金は実は一部だけなのです。医療にかかるお金の大半が、保険料によって集めたお金で賄われているのです。
- 病気でない時は使わないけど、病気になったら皆が使えるのが公的保険
日本の公的医療保険は皆保険と言われ、病気になっていてもいなくても、国民みんなが加入して、保険料を払います。病気になっていない時にはあまり使わないので、少し損に感じるけれど、病気がちになったときに大きく助けてもらえることになります。もしこの保険料の支払いを減らすと、公的保険で使えるお金が少なくなり、公的保険の効く範囲が小さくなることが想定されます。そうなると個人にとっては、病気に備えて民間の高い保険に入る必要性が高まるでしょう。すると結果として、生涯で支払う額はむしろ増えかねません。
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民間保険が守るのは"顧客"であって"患者"ではない
民間保険は営利なので、▼病気になりそうな人には高い保険料▼病歴がある人は加入を断られる、というのが普通です。公的保険が弱まると、アメリカのように「高い保険料+高い医療費」を個人が背負う社会に近づきます。
- みんなでリスクを分散する仕組みが公的な医療保険です
人は「手取りがすぐに増える」という短期の利益につい飛びつきがちです。しかしその裏で、大きな医療リスクを自分で抱えることになれば、結果的に生涯の可処分所得は減ってしまう可能性があります。
社会保険は、大丈夫なうちから"少しずつ負担すること"で、必要な時の"とても大きな安心"に備える仕組みです。ここを削ることは、短期的には得に見えても、人生全体ではむしろ損につながりやすい。そう考えると、"社会保険料を下げればみんな得する"という単純な話ではない、ということがわかります。
みんなでリスクを分散する仕組みが公的な医療保険です。
その仕組みを理解して、賢い選択をしていきたいですね。

