スマートフォン版へ

  1. HOME
  2. 神奈川県保険医協会とは
  3. 私たちの考え
  4. 「産科医療を守り、安心な周産期医療を求める特別決議」

「産科医療を守り、安心な周産期医療を求める特別決議」

産科医療を守り、安心な周産期医療を求める特別決議

 


 本年8月24日、横浜市瀬谷区の堀病院に対して保健師助産師看護師法違反容疑で神奈川県警による家宅捜査が行われました。当日は捜査員60名という大がかりな捜査で、テレビなど多くのマスメディアが大々的に報道するという異常な状況は、我われ医療に携わる医師・歯科医師にとって憤りを禁じえないところです。

 今回の家宅捜査にあたり、妊産婦への配慮を欠いた県警、行政、マスコミによる一連の行為は、通院・入院中の妊産婦及び褥婦に対して、切迫早産や難産、授乳困難などの危険をもたらす精神的ストレスを与えかねないものであり、母子の健康を願う医療担当者として看過することは出来ません。

 

 そもそも、助産行為等の定義については、厚労省における「医療安全の確保に向けた保助看法等のあり方に関する検討会」においてもそれぞれの立場が異なり、統一の見解がまとまらなかった経緯があります。それにも拘わらず、法律でもない一片の課長通知による解釈を以って「無資格者による違法行為」と断定する手法や報道は、到底、承服出来るものではありません。

 

 少子化が進む今日、第一子の出産年齢は30代以上が既に4割と、高年齢などリスクを伴う出産が増えています。こうした中、周産期医療において産科医療機関や産科医の役割は、ますます重要となっています。しかし、一方で神奈川県下の出産を扱う施設数、医師数とも3年前に比べ約1割も減少し、今後も減り続けようとしており社会問題となっているところです。そうした背景も考慮しない一連の流れは、地域から出産現場を失う危険が非常に大きいと危惧いたします。

 こうした産科医療の窮状に対して何ら有効な施策を講じることなく、一方的に医療現場にその責任を転嫁する行政庁の姿勢は、断じて容認することは出来ません。

 

 周産期医療にとっては産科医、助産師、保健師、看護師、それぞれの連携と協力が不可欠です。慢性的な助産師不足を解消できるよう速やかに具体的施策を講じることと、保助看法の改正もしくは解釈の改正を強く要望するものです。

 

2006年9月9日

神奈川県保険医協会 第22期第3回臨時評議員会

2006年9月14日

神奈川県保険医協会 第22期第23回理事会