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保険診療対策部長談話 「レセプト記載事項に無理解の舛添大臣は直ちにレセプトオンライン請求義務化を撤回すべきである」

レセプト記載事項に無理解の舛添大臣は

直ちにレセプトオンライン請求義務化を撤回すべきである

神奈川県保険医協会

保険診療対策部部長  入澤 彰仁

(レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟原告団幹事長)


 2月19日、衆院予算委員会において自民党の牧原秀樹議員が、オンライン請求義務化について質問した。これに対し、舛添厚生労働大臣は、レセプトのオンライン請求について薬害防止になると答弁。その理由として、どの患者に投与したかデータ化されていれば検索可能であるとした。確かに厚生労働省の役割として薬害防止は重要なことだが、レセプトデータで薬害が防止できるだろうか。答えはNOである。

  

 そもそもレセプトについては、たとえば投薬を包括した点数については、薬剤名は記載されない。つまりはレセプトデータでは投薬内容の全数管理は出来ないのである。しかもレセプトデータは既に投薬してしまったあとの請求データなので、それを基に未然に防ぐことも出来ない。もし大臣が、レセプトデータで投薬内容を全数管理できると考えているのであれば、その方法を示していただきたい。推測するに大臣は診療録の記載内容と勘違いしていると思われる。言い換えれば疫学的な価値を見出すためにはレセプトデータではなくカルテデータが必要となるため、薬害の防止はレセプトオンライン請求義務化の根拠になっていないことは自ら吐露したものといえよう。

  

 厚生労働省は「医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会」報告書をまとめ、ナショナルデータベース(以下、NDB)の創設を提言した。NDBはレセプトデータと特定健診・特定保健指導データを匿名化して関連つけるもの。舛添大臣の答弁もこのNDBを想定しての話と思われるが、NDBに集積されるレセプトデータは匿名化されているので個人を特定してカルテ情報までさかのぼることは出来ない。つまり、現に厚生労働省が行っている「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査」の代わりにレセプトデータを使ったとしても良い結果は得られないのである。

  

 これらをみても、レセプトのオンライン請求義務化は薬害防止に役立たないことは明らかである。大臣はレセプトデータに記載されている内容を正しく理解をしておらず、その様な状態でレセプトオンライン請求義務化を語る資格があるとはいえない。直ちに義務化撤回を要望する。   

2009年2月19日