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地域医療対策部長談話 「日本脳炎の予防接種に対し、行政は責任を持って広報し無料接種期間延長の措置を」

 日本脳炎の予防接種に対し、行政は責任を持って広報し

無料接種期間延長の措置を

 

神奈川県保険医協会

地域医療対策部長  桑島 政臣


 2004年7月の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発症例をきっかけに、翌05年5月、厚労省から日本脳炎予防接種勧奨中止が各自治体へ通知され、実質的な接種中断期間が2年以上続いている。推奨接種年齢が3歳であったので、当時接種されるべき3歳から7歳半の児童と、これから2年以上は必要といわれる新型ワクチン認可までの時期の該当年齢の児童は、現行制度では未接種のまま、無料接種の期間が終了し放置される結果となる。

 

 日本脳炎予防接種は、90カ月までに第1期の2回及び翌年追加の1回を受けることとされている。勧奨中止時3歳だった児童は、現在5歳から6歳と推定され、無料接種期間の終了までに第1期を完了する事が時間的に不可能となろうとしている。

 

 数年前には、インフルエンザワクチンが品薄で社会問題化した。折りしもこの春には、首都圏の複数の大学を始めとする教育機関において、麻疹の流行の為に休講等が続出、麻疹単独および麻疹風疹混合ワクチンが品薄となり、定期の予防接種にも支障を来たす事態が発生している。これらの共通点として、副反応等を契機とした予防接種の一時的中止が、後年の大流行の潜在的要因となっていることが挙げられよう。昨年9月には、実際に熊本で幼児の日本脳炎発症例が出た。医療関係者の間では、今後未接種児に発症するのではとの懸念が広がっている。

 

 2年前の突然の接種勧奨中止は、現場に混乱をきたし、無料接種中止だとの誤解を一部の保護者に与えた。接種にあたっての厳重な同意書への署名の説明責任は、現場の医師に丸投げされたままである。海外旅行については自己責任で渡航前予防接種を受けるとしても、ブタの日本脳炎抗体保有率が、西日本においては概ね9割を越している現状を鑑み、行政は勧奨中止以降の未接種児童について、新型ワクチンに認可が下りた後に、十分な広報と、経過措置としての無料接種の実施を、責任を持って行うべきと考えるものである。

2007年6月22日