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税対経営部長談話 「誤解を招かない正確な情報掲載を求める」

誤解を招かない正確な情報掲載を求める

 

神奈川県保険医協会

税対経営部長  馬場 一郎


 日本経済新聞社は4月17日、政府がマイナンバーカードの活用による新たなシステムを作り、2021年分の確定申告から医療費控除の手続きを全ての人を対象に自動化すると報じた。ただ、この記事には保険診療以外の医療費控除の対象となるものへの言及が全くなく、読者へ誤解を与える内容となっている。今後は正確な内容で報道していただき、国民の誤解を生じさせることのないよう配慮を求める。

 

 今回報じられた記事では、政府が行政手続きを簡便に済ませることができるデジタル社会作りを進めている背景に触れつつ、手間のかかる医療費控除の手続きに関する負担が軽減されることを国民に実感してもらうことで、公的サービスの電子化を一段と加速させるとしている。その仕組みとして、2021年分の確定申告からの開始を目指しているのが、保険診療のデータを持つ社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険中央会のシステムと政府が運営する「マイナポータル」をつなぎ、あわせて国税庁のシステムとも連携するものであり、控除の申告を自動化すると紹介した。

 

 しかし、記事の中では医療費控除の対象のうち保険診療に関する医療費に触れるだけにとどまり、その他の医療費控除の対象になるものについては一切触れていない。

 医療費控除の対象になるのは、保険診療に関する医療費だけではない。一定の自費診療に関する医療費や通院するためにかかった交通費(電車やバス等)、歯科材料費なども医療費控除の対象に含まれる。これらは、保険者から送付される「医療費通知」には記載されていないため、現状では領収証を控えとしてとっておくほか、領収証の出ない公共交通機関の交通費については日付や料金、経路などを記録して保管しておく必要がある。これらすべてを新システムで捕捉することは不可能だ。あたかもすべての医療費控除の対象がこのシステムで完結するといった誤解を生みかねない今回の報道内容には看過できない。

 

 同紙ではこの間、「マイナンバーが保険証」「マイナンバー、保険証活用へ」など、番号制度とカード(公的個人認証)を混在した不正確な見出し記事が相次いだ。今回の記事も同様で、不正確な情報は読者(国民)に誤認と混乱を与える。広く国民の目に入る報道機関においては、できる限り正確な記載をお願いしたい。

2019年4月22日