スマートフォン版へ

  1. HOME
  2. 神奈川県保険医協会とは
  3. 私たちの考え
  4. 医療運動部会長談話 「空母よりも、戦闘機よりも、社会保障の充実を求む」

医療運動部会長談話 「空母よりも、戦闘機よりも、社会保障の充実を求む」

空母よりも、戦闘機よりも、社会保障の充実を求む

 

神奈川県保険医協会

医療運動部会長 二村 哲


 12月18日、安倍政権は新たに「防衛計画大綱」(大綱)の策定と2019年度から23年度までの武器調達計画を示す「中期防衛力整備計画」(中期防)を閣議決定した。

 「大綱」は前回策定から5年での策定となり、従来で言えば10年スパンのものを急に見直した感は否めない。しかもその中身が、政府の憲法解釈としても否定してきた「攻撃型空母」の保有である。護衛艦「いずも」を改修し、ヘリコプターだけでなく戦闘機を搭載できるようにするものだ。その戦闘機は米国の最新型F35を105機追加購入するというものである。「いずも」に搭載されるF35Bはステルス機能を装備し、併せて導入される長距離巡航ミサイルの搭載もできる。改修された「いずも」には10機搭載することができ、どうみても「攻撃型空母」の完成である。

 そもそも「いずも」の空母化は現場の自衛隊の要望を反映させたものではない。それは岩屋防衛相も認めている。F35の追加購入の理屈付けにしか見えない。しかもこれらの兵器購入は、米国トランプ政権の要請にこたえたもので、「対外有償軍事援助」として米国の言い値で兵器を購入することになっている。つまり「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンが急増することになる。

 新たな「中期防」では、現在の「中期防」から物件費が約一兆円増えており兵器ローンが拡大するのは必至だ。5年間の中期防では27兆4700億円に膨らんでいる。

 この様に「防衛費」は聖域化され、米国からの言いなりで兵器を購入している。しかし、政府が発表した来年度予算案では、社会保障は本来6000億円の自然増を4800億円に抑え、1200億円も削減することになっている。この間5000億に抑制していた伸びをさらに切り込む社会保障緊縮予算案だ。

 社会保障費の削減は薬価の引き下げや介護保険料の総報酬制による国庫負担の削減、後期高齢者医療の保険料軽減特例の廃止(均等割り分)などが予定されている。さらに75歳以上医療の負担2倍化、受診時定額負担、軽医療の保険外しなど、今後も患者・国民負担メニューが次々に計画されている。

 我々は、憲法違反の「攻撃型空母」はいらない!他国を攻撃する戦闘機はいらない!空母よりも、戦闘機よりも、充実すべきは国民の生活と命を守る社会保障だ。F35の追加購入分だけで1兆2000億円以上といわれており、その半分で社会保障の自然増を賄うことができる。国民の税金は人を殺すことではなく人の命を守ることに使うよう我々保険医は、安倍政権に求めていく。

2018年12月20日