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2014/2/27 理事会声明「民主主義社会の要、NHKは公共放送を堅持せよ 籾井会長と安倍総理の介入・私物化に抗議する」

民主主義社会の要、NHKは公共放送を堅持せよ

籾井会長と安倍総理の介入・私物化に抗議する

神奈川県保険医協会

第26期第13回理事会


 NHKの籾井勝人会長は1月25日、就任会見という公の場で「政府が右と言うものを左というわけにはいかない」、「(慰安婦)戦争地域にはどこの国にもあったと思う」などと発言。その後、自らの発言を不適当だったと撤回が報じられたが、2月12日のNHK経営委員会では「大変な失言をしたのでしょうか」と発言、無反省が露見した。そして、NHKのラジオ番組で原発問題を話す予定であった東洋大・中北徹教授に対して「(都知事)選挙期間中の番組は公平性を期す必要があり、テーマの変更を求めた」と番組制作に不当介入。また、会長就任初日には10人の理事全員に辞表を書くよう求めたことが明らかになると、「辞表を預かったことで理事が萎縮するとは思わない。一般社会ではよくあることだ」と詭弁を弄した。就任わずか1か月ばかりで、公共放送の最高責任者としての資質を欠く非常識な言動が、次々と明らかになった。

 日本放送協会 (以後、NHK)は、放送法に基づき営利目的の『商業放送』でも国家管理の『国営放送』でもなく、『公共放送』の機関であることを、改めて想起すべきであろう。NHKは「政府から独立して受信料によって運営」されている公共放送事業体であり、目的は「民主主義社会の健全な発展と公共の福祉に寄与することです。 NHKは、市場原理だけでは律することのできない公共性を強く意識し、特定の利益や視聴率に左右されずに放送事業を行っています」と自らを説明している。そのため、「その使命を他者、特に政府からの干渉を受けることなく自主的に達成できるよう」、視聴者からの受信料を運営財源としている事由である。

 このことは、戦時中、政府の国策遂行のプロパガンダ(大本営発表)に加担し、国民に真実が知らされなかったこと、そうした情報操作が民主主義社会の土台を掘り崩すことへの反省から昭和25(1950)年の放送法では、NHKを時の政権から独立した公共放送機関として改められた。ただしNHK会長は経営委員会が任命し、その経営委員会の委員は内閣総理大臣が任命権者である。経営委員の任命では、先般、『安倍カラー』の強い保守派論客である百田尚樹、長谷川三千子両氏が登用され、籾井氏の会長就任についても安倍総理の意向と伝えられている。公共放送の「私物化」との批判は免れない。

 そして放送法では、番組編集を「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(第4条4項)と定めている。しかしながら前述の原発に関する番組改変をはじめ、昨年暮れ以来、新聞では連日大きく報じられてきた特定秘密保護法の問題を、社会世相問題を取り上げる情報番組『クローズアップ現代』でさえ一度も扱われておらず、疑念を持たざるを得ない。政府方針に異議のある課題を多角的視点から報じず、放送法に反して国民の目と耳を塞いでいないか。NHKが権力の監視というメディア本来の使命を放棄し、"国策放送局"に堕落しているのではないか、大変憂慮している。

 このような状況下、一連の籾井氏の言動は明らかにNHKの会長として不適任であり、罷免や辞任など責任ある対応を強く求める。NHKは公共放送の理念を堅持しなければならない。また、今後、電波監理委員会等の独立した第三者機関の設置やNHK会長の公選制など、政治権力の介入を防ぎ公正な人選と運営を保障し、国民のための公共放送を守る新たな法整備を求めるものである。

2014年2月27日

 

民主主義社会の要、NHKは公共放送を堅持せよ

籾井会長と安倍総理の介入・私物化に抗議する

神奈川県保険医協会

第26期第13回理事会


 NHKの籾井勝人会長は1月25日、就任会見という公の場で「政府が右と言うものを左というわけにはいかない」、「(慰安婦)戦争地域にはどこの国にもあったと思う」などと発言。その後、自らの発言を不適当だったと撤回が報じられたが、2月12日のNHK経営委員会では「大変な失言をしたのでしょうか」と発言、無反省が露見した。そして、NHKのラジオ番組で原発問題を話す予定であった東洋大・中北徹教授に対して「(都知事)選挙期間中の番組は公平性を期す必要があり、テーマの変更を求めた」と番組制作に不当介入。また、会長就任初日には10人の理事全員に辞表を書くよう求めたことが明らかになると、「辞表を預かったことで理事が萎縮するとは思わない。一般社会ではよくあることだ」と詭弁を弄した。就任わずか1か月ばかりで、公共放送の最高責任者としての資質を欠く非常識な言動が、次々と明らかになった。

 日本放送協会 (以後、NHK)は、放送法に基づき営利目的の『商業放送』でも国家管理の『国営放送』でもなく、『公共放送』の機関であることを、改めて想起すべきであろう。NHKは「政府から独立して受信料によって運営」されている公共放送事業体であり、目的は「民主主義社会の健全な発展と公共の福祉に寄与することです。 NHKは、市場原理だけでは律することのできない公共性を強く意識し、特定の利益や視聴率に左右されずに放送事業を行っています」と自らを説明している。そのため、「その使命を他者、特に政府からの干渉を受けることなく自主的に達成できるよう」、視聴者からの受信料を運営財源としている事由である。

 このことは、戦時中、政府の国策遂行のプロパガンダ(大本営発表)に加担し、国民に真実が知らされなかったこと、そうした情報操作が民主主義社会の土台を掘り崩すことへの反省から昭和25(1950)年の放送法では、NHKを時の政権から独立した公共放送機関として改められた。ただしNHK会長は経営委員会が任命し、その経営委員会の委員は内閣総理大臣が任命権者である。経営委員の任命では、先般、『安倍カラー』の強い保守派論客である百田尚樹、長谷川三千子両氏が登用され、籾井氏の会長就任についても安倍総理の意向と伝えられている。公共放送の「私物化」との批判は免れない。

 そして放送法では、番組編集を「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(第4条4項)と定めている。しかしながら前述の原発に関する番組改変をはじめ、昨年暮れ以来、新聞では連日大きく報じられてきた特定秘密保護法の問題を、社会世相問題を取り上げる情報番組『クローズアップ現代』でさえ一度も扱われておらず、疑念を持たざるを得ない。政府方針に異議のある課題を多角的視点から報じず、放送法に反して国民の目と耳を塞いでいないか。NHKが権力の監視というメディア本来の使命を放棄し、"国策放送局"に堕落しているのではないか、大変憂慮している。

 このような状況下、一連の籾井氏の言動は明らかにNHKの会長として不適任であり、罷免や辞任など責任ある対応を強く求める。NHKは公共放送の理念を堅持しなければならない。また、今後、電波監理委員会等の独立した第三者機関の設置やNHK会長の公選制など、政治権力の介入を防ぎ公正な人選と運営を保障し、国民のための公共放送を守る新たな法整備を求めるものである。

2014年2月27日