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2015/4/27 抗議声明 「患者、国民の声を無視して採決を強行したことに強く抗議する 衆議院本会議での採決は強行せず、 あらためて厚生労働委員会での審議のやりなおしを求める」

―衆議院厚生労働委員会での「医療改革関連法案」の採決強行を受けて―

患者、国民の声を無視して採決を強行したことに強く抗議する

衆議院本会議での採決は強行せず、

あらためて厚生労働委員会での審議のやりなおしを求める

神奈川県保険医協会

理事長 森 壽生


  政府・与党は、4月24日、医療保険制度改革関連法案(「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」)の衆議院厚生労働委員会での強行採決をした。本法案は、5つの法「改正」案を一括して提案し、内容も(1)フリーアクセスを阻害し、治療の一環である入院給食費の負担増計画、(2)安全性、有効性が未確立な医療を「患者の自己責任」の名で広げる患者申出療養の創設、(3)都道府県に公的医療費削減の役割を担わせる「国保の都道府県単位化」(都道府県による財政運営、医療費適正化計画の見直しなど)など、国民生活に重大な影響を与える問題が数多く含まれている。

 しかも、14日(火)に衆議院本会議で趣旨説明、17日(金)から委員会での審議が本格的に始まったばかりで、まったく審議は尽くされていない。委員会審議の中で出された「患者申出療養は安全性、有効性の担保がない」「国保の都道府県化によっても高すぎる保険料の問題は解決しない」などの懸念に対し、政府は「詳細はこれから検討する」などと答え、具体的なことは何も答弁していない。

 つまり、審議の中では、医療保険制度の財政問題の議論が中心で、実際に医療を受ける国民にとってどうなのか、安心して医療を受けることができるのかという視点が非常に少なく思える。また、医療を提供する側にとって、安全な医療を提供できる仕組みになるのかなど十分な議論が交わされたとは到底思えない状況だ。

 「払えないほど高い国保料」にあえぐ国保加入者や、経済的に困難な状況の中で病気とたたかう患者さんが現実に存在し、我々開業保険医はそれらの患者と制度の狭間に立って、何とか地域医療を守る取り組みを続けている。

 この取り組みが、今回の法改正でさらに困難になることが予想される。

 こうした患者、国民、医療従事者の声を無視し、十分な審議もつくさずに厚生労働委員会での採決を強行したことは、議会制民主主義を否定するものであり、許されない。

 我々は、強く抗議するとともに、衆議院本会議での採決を強行せず、あらためて厚生労働委員会での審議をやりなおし、廃案にすることを求める。 

2015年4月27日

―衆議院厚生労働委員会での「医療改革関連法案」の採決強行を受けて―

患者、国民の声を無視して採決を強行したことに強く抗議する

衆議院本会議での採決は強行せず、

あらためて厚生労働委員会での審議のやりなおしを求める

神奈川県保険医協会

理事長 森 壽生


  政府・与党は、4月24日、医療保険制度改革関連法案(「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」)の衆議院厚生労働委員会での強行採決をした。本法案は、5つの法「改正」案を一括して提案し、内容も(1)フリーアクセスを阻害し、治療の一環である入院給食費の負担増計画、(2)安全性、有効性が未確立な医療を「患者の自己責任」の名で広げる患者申出療養の創設、(3)都道府県に公的医療費削減の役割を担わせる「国保の都道府県単位化」(都道府県による財政運営、医療費適正化計画の見直しなど)など、国民生活に重大な影響を与える問題が数多く含まれている。

 しかも、14日(火)に衆議院本会議で趣旨説明、17日(金)から委員会での審議が本格的に始まったばかりで、まったく審議は尽くされていない。委員会審議の中で出された「患者申出療養は安全性、有効性の担保がない」「国保の都道府県化によっても高すぎる保険料の問題は解決しない」などの懸念に対し、政府は「詳細はこれから検討する」などと答え、具体的なことは何も答弁していない。

 つまり、審議の中では、医療保険制度の財政問題の議論が中心で、実際に医療を受ける国民にとってどうなのか、安心して医療を受けることができるのかという視点が非常に少なく思える。また、医療を提供する側にとって、安全な医療を提供できる仕組みになるのかなど十分な議論が交わされたとは到底思えない状況だ。

 「払えないほど高い国保料」にあえぐ国保加入者や、経済的に困難な状況の中で病気とたたかう患者さんが現実に存在し、我々開業保険医はそれらの患者と制度の狭間に立って、何とか地域医療を守る取り組みを続けている。

 この取り組みが、今回の法改正でさらに困難になることが予想される。

 こうした患者、国民、医療従事者の声を無視し、十分な審議もつくさずに厚生労働委員会での採決を強行したことは、議会制民主主義を否定するものであり、許されない。

 我々は、強く抗議するとともに、衆議院本会議での採決を強行せず、あらためて厚生労働委員会での審議をやりなおし、廃案にすることを求める。 

2015年4月27日